茨城県常総市にある設計事務所|1級建築士事務所 建築アトリエ 夢空間マツダ

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水害後の家屋につきまして(まとめ2)

2019.10.23

今日の茨城県常総市は曇り。

こんにちは。自然素材の家づくりにこだわる 建築アトリエ夢空間マツダ 一級建築士の松田直樹です。

今回は前回の続きですが、前回をご覧になっていない方は 水害後の家屋につきまして(まとめ1) からご覧ください。

水害2019-2

床下浸水でベタ基礎の場合、
床下に潜り、基礎上にたまった泥水等を全て取り除きしっかり洗います。配管にもびっちりとくっついていますのでしっかり洗浄して下さい。
(この時に基礎断熱の方は断熱材を取り除いて下さい。硬質ウレタンフォームは物により、真水の場合は乾けば大丈夫とありますが、汚泥水の場合はカビが生えます。実際私の手掛けたおうちで、サーキュレーターを10台程度回していたのですが、断熱材がある程度乾いた後、見てみたのですが、カビが生えてきました。)
その後十分に乾かし、オスバン等の逆性石鹸を200~500倍に薄めたもので噴霧し、出来れば一ヶ月以上は乾燥させてください。床下浸水の場合、床を剥さないため、乾燥させるのに時間がかかります。また、床下浸水でも床下地(ベニヤ等)や断熱材等がが浸かってしまった場合は、床上浸水の時同様はがして下さい。くどいようですが、ベニヤは薄い木を貼り合わせた合板ですから、かなり吸い込むことと、フローリングと密着もしているため、、乾燥させるのに時間もかかります。出来ればその場合は床をはがし、床上浸水の場合と同じことをすると良いかと思います。調湿材は交換して下さい。土台、大引へ防虫防蟻材の塗布は忘れないでくださいね。
また、床上浸水の時のベタ基礎の場合にも言えるのですが、基礎パッキンには汚泥物が詰まっています。衛生上よろしくないことと、床下の通気が取れないため、しっかり洗浄して取り除いて下さい。実際この洗浄にかなりの時間を費やしました。私はケルヒャーのスチームクリーナーで落としました。結構な高温なので落ちますが、その際に汚泥とお湯が跳ね返るのでご注意ください。基礎のベースの上に散らばることと、基礎内の通気を確保したいため、この作業は早い段階でやることをお勧めします。

床下浸水で布基礎の場合、
これも床上の布基礎、床下のベタ基礎の場合を組み合わせた感じです。床下に潜り、汚泥等を全て取り除き(この作業が結構大変です)、扇風機やサーキュレーターで強制的に乾かします。床上浸水の布基礎の場合の段取りを踏み、相当時間乾燥をしてください。床下点検口を増やしたりして、しばらく開けておき、乾燥させるのも良いかと思います。実際一部床をめくったり、畳をあげて荒床(畳下地の板)をめくって置くのもいいでしょう。とにかくあらゆる所を開けて乾かして下さい。床下に潜れない場合は、床を一部はがし(床下内の消毒処理が出来る範囲全て)、同様の処理を行ってください。

水害時8

この写真は土の上に防湿シートを敷き込んで床下調湿材のゼオライトを敷いた状態です。大変ではありますが、床下に潜ってこのような状態にすることをお勧めします。調湿材は細粒上に撒くタイプや備長炭など色々ありますのが、出来るだけ調湿効果、消臭効果の高い物を使用し、シロアリ等の嫌いな空間を作ってください。

その他、庭木や外壁についた汚泥は、水道で洗い流し、外壁は乾燥させた後、オスバン等の逆性石鹸を200~500倍に薄めたもので噴霧してください。次亜塩素酸ナトリウムと言うものを200倍に薄めても大丈夫ですが、金属類、繊維類は腐食するため、オスバンの方が良いでしょう。

まとめとなりますが、何度もお話しします通り、何よりも乾燥が大切です。まわりに先立って、乾燥しないうちに床を張ったりすると数年後、カビが生えて来てやり直しなんてことにもなりかねません。これは実際に水害があった地域で起こったことです。費用がかかるため、これを全部やるというのは難しい方もいるかと思います。
大切なのは乾かし、消毒するということです。
今回は将来の子ども達の健康被害等を考え、わたくし一級建築士の松田直樹が考えをまとめてみました。最初に書きました通り、これは私個人の考えです。建築士により考え方はそれぞれです。参考程度に読んでいただけたらと思います。

悪徳業者も現れます。私が聞いた話では、乾燥する前にすぐに工事をして、2ヶ月後に工事をやり直した話も聞きました。また、某建築会社に床下の洗浄をやってもらったけど、臭うんです。とのご相談を受け床下に潜ってみると、とても洗浄された状態ではありませんでした。まずは、信頼のおける業者さんにご相談してください。先走って契約をしないで下さい。一度周りに相談してからでも遅くはありません。とにかく焦らず、乾かし消毒することから始めて下さい。

今回の台風被害で感じたことです。
今回、常総市の方々は子供からお年寄りまであっという間に避難所に避難しました。以前のように逃げ遅れることを恐れているからです。そのため、あっという間に各地の避難所はいっぱいになり、次々と新しい避難所が開設されました。これが経験と言うことでしょう。今は異常気象と言う言葉はたまにではなく日常で聞くようになりました。今後もこういうことが起きないことを願うばかりですが、備えは必要です。避難指示ではなく、避難勧告だから大丈夫と言う考えやうちはきっと大丈夫だろう。と言う気持ちは捨てて下さい。

ハザードマップで一度自分が住んでいる場所、周辺を調べてください。
https://disaportal.gsi.go.jp/

台風などで大雨の予報の時は川の水位を逐次チェックしてください。(テレメーター水位)
http://i.river.go.jp/p/xmn0101010/

何度も申し上げます。

大切なのは乾かし、消毒するということです。

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